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「仮想通貨の利益が20万円以下なら申告しなくていい」と言われる決まりを、国税庁のタックスアンサーとFAQ、横浜市の住民税の案内の原文で確かめました。所得税と住民税で扱いが違う点と、20万円を何で数えるかを整理しています(2026年10月3日確認)。
■「20万円以下なら申告不要」の決まりとは
この章の出典
国税庁タックスアンサー No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」(令和8年4月1日現在法令等)によります。
この決まりは、給与所得者(会社員など)のためのものです。国税庁のタックスアンサーには、給与所得者であっても、次のどれかにあてはまる人は確定申告をしなければならない、と書かれています(確定申告をすれば税金が還付される人は除きます)。
| あてはまる人 | 確定申告 |
|---|---|
| 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人 | 必要 |
| 給与を1か所から受け、全部が源泉徴収の対象で、給与所得・退職所得以外の所得の合計が20万円を超える人 | 必要 |
| 給与を2か所以上から受け、年末調整されなかった給与の収入と、給与所得・退職所得以外の所得の合計が20万円を超える人 | 必要(一定の条件で不要) |
国税庁タックスアンサー No.1900より当サイトが整理
つまり、給与を1か所から受ける会社員などで、暗号資産の利益を含む「給与以外の所得」の合計が20万円以下なら、所得税の確定申告は要らない、ということです。
■20万円は「売った金額」ではなく「所得(利益)」で数える
国税庁のFAQでは、暗号資産の売却による所得は、総収入金額から必要経費を差し引いて計算するとされています(国税庁FAQ)。20万円かどうかは、売った金額ではなく、売った金額から買った金額などを引いた「所得」で判断します。
例:50万円で買った暗号資産を、65万円で売った場合(当サイトの計算)
650,000円 − 500,000円
所得 150,000円
売った金額は650,000円で20万円を超えますが、所得は150,000円です。ほかに給与以外の所得がなければ、20万円以下にあたります。
暗号資産どうしの交換や、買い物も数える
国税庁のFAQでは、暗号資産を売ったときだけでなく、暗号資産で商品を買ったときや、暗号資産どうしを交換したときも、所得の計算の対象とされています。日本円に戻していなくても、交換した時点で所得が出ていることがあります。計算の方法は仮想通貨の税金の記事にまとめています。
ほかの「給与以外の所得」と合わせて数える
20万円は、暗号資産だけでなく、給与所得・退職所得以外の所得の合計で判断します。副業の所得なども合わせて数えます。
例:暗号資産の所得12万円と、副業の所得10万円がある場合(当サイトの計算)
120,000円 + 100,000円
合計 220,000円(20万円を超える)
編集部
■いちばん大事な注意:住民税の申告は別
所得税の確定申告が要らない場合でも、住民税は扱いが違います。横浜市の案内(2026年4月1日更新)は、住民税は所得税と異なり、所得の多少にかかわらず給与所得と合算して税額を計算するとしています。そのため、所得税の確定申告をしなかった場合は、住民税の申告が必要だと説明しています(横浜市の案内)。
一方で、所得税の確定申告をした場合は、住民税の申告もしたものとみなされ、別に住民税の申告をする必要はないとされています。住民税の申告の方法や期限は、お住まいの市区町村にご確認ください。
「20万円以下だから何もしなくていい」とは限りません。
- ✔ 所得税の確定申告が要らないのは、給与所得者などの条件を満たす場合だけ
- ✔ 20万円は、売った金額ではなく所得(利益)の合計で数える
- ✔ 所得税の申告をしないなら、住民税の申告は別に必要(横浜市の案内)
■20万円以下かどうかを確かめる手順
使ったすべての取引所の年間取引報告書をそろえる
国内の取引所は、1年分の取引をまとめた年間取引報告書を出しています。
暗号資産の所得を計算する
国税庁の暗号資産の計算書(総平均法用・移動平均法用)や、損益計算ツールで計算します。
ほかの給与以外の所得と合計する
副業などの所得と合わせて、20万円を超えるかを確かめます。超えなければ、住民税の申告を市区町村で行います。
■ケース別の早見表
この表の前提
給与を1か所から受け、全部が源泉徴収の対象で、給与の年間収入が2,000万円以下の会社員などの場合です。国税庁タックスアンサー No.1900と、横浜市の住民税の案内にもとづく当サイトの整理です。個別の事情で変わるため、最終的には税務署や市区町村にご確認ください。
| 給与以外の所得の合計 | 所得税の確定申告 | 住民税の申告 |
|---|---|---|
| 0円(損失のみも含む) | 不要 | 市区町村に確認 |
| 20万円以下 | 不要(還付を受けるなら申告できる) | 必要(所得税の申告をしない場合) |
| 20万円を超える | 必要 | 所得税の申告をすれば不要 |
当サイトの整理
暗号資産の損失は、給与所得など他の所得と差し引くことができません(国税庁FAQ)。損失だけの年でも、住民税の扱いは市区町村にご確認ください。
■所得を正しく出すために、取引が多い方へ
取引所が1か所で、売買が年に数回なら、国税庁の計算書で十分に計算できます。取引所が複数ある、暗号資産どうしの交換が多い、という場合は、損益計算ツールを使うと20万円を超えるかどうかを確かめやすくなります。詳しくはクリプタクトのレビューで確かめています。
複数の取引所の所得を、まとめて出したい方:クリプタクト
【料金・基本情報】
| フリー | 0円(取引が50件を超えると、損益の計算結果は表示されない) |
|---|---|
| ベーシック | 年6,600円(300件まで) |
| 更新と返金 | 有料プランは1年ごとに自動更新。決済後の返金はなし |
ツールを使わなくてもよいかもしれない方
- 取引所が1か所で、売買が年に数回の方(国税庁の計算書で足ります)
- 取引が50件を超え、有料プランの費用が気になる方は、まず年間取引報告書で概算する方法もあります
- ツールの計算結果も、最後はご自身で確かめる必要があります
■20万円以下の扱いを考える前に、確かめておきたいこと
この5つを確かめておくと、申告の漏れを防げます
- □ 自分が給与所得者の条件(給与1か所・源泉徴収・年収2,000万円以下)にあてはまるか
- □ 暗号資産の所得を、売った金額ではなく利益で計算したか
- □ 暗号資産どうしの交換や、暗号資産での買い物を計算に入れたか
- □ 副業など、ほかの給与以外の所得と合計したか
- □ 所得税の申告をしない場合、住民税の申告をしたか
■仮想通貨の20万円以下について、よくある質問
Q. 仮想通貨の利益が20万円以下なら、税金はかからないのですか?
A. 税金がかからないのではなく、条件を満たす給与所得者は、所得税の確定申告が要らない場合がある、という決まりです。住民税は、所得の多少にかかわらず計算されるため、所得税の申告をしない場合は住民税の申告が必要です(横浜市の案内)。
Q. 20万円は、売った金額ですか、利益ですか?
A. 利益(所得)です。売った金額から、買った金額などの必要経費を差し引いた金額で判断します。
Q. 学生や主婦(主夫)でも、20万円以下なら申告不要ですか?
A. この決まりは給与所得者のためのものです。給与所得者でない方は、所得の合計や控除によって扱いが変わるため、税務署にご確認ください。
Q. 税制が変わると、20万円の決まりはどうなりますか?
A. 改正後の分離課税の対象になる取引についての扱いは、2026年10月3日時点で当サイトは確かめられていません。改正の時期と中身は仮想通貨の税金の記事で、確定したことと未定のことを分けて書いています。
■【まとめ】20万円以下でも、住民税の申告を忘れずに
給与を1か所から受ける会社員などは、暗号資産を含む給与以外の所得の合計が20万円以下なら、所得税の確定申告が要らない場合があります。20万円は、売った金額ではなく所得(利益)で、副業などと合わせて数えます。
ただし住民税は、所得の多少にかかわらず計算されるため、所得税の申告をしない場合は、住民税の申告が別に必要です。迷ったときは、税務署やお住まいの市区町村に確かめていただくのが確実です。
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